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脚本家は、肉が好き。

中間の悪魔。

投稿日時:2009/05/04(月) 02:01

ちょこちょこちょこっと工事して行けば
案外と何とかなんじゃね?
と思っていたシナリオでしたが、
真ん中ら辺で巨大な壁が立ちはだかっていることが判明し、
ああこりゃこっから後ろは全部書き直しだね、
ってことはほとんど全部書き直しになるね、
と途方に暮れたのがこのブログを書き始めた動機です。


いわゆる、「(物語の)中間の悪魔」です。

聞いたことないですか?

ないでしょうね、いま作りましたから。

(シナリオ作家なんてみんな口から出任せよっ)






今、ハリウッド映画の脚本ノウハウ本を読んでいますが、

「最初の3本までは本能で書ける」

と書いてあり、思わず膝を打ちました。
そうだったなあと遠い目もしてみました。



ちなみに最初の3本。

「イタチ」
……25歳、引き籠もりから脱出するために書いた長編私小説。修士論文より長い文章はこれが初めて。そしてこれこそが我が人生最大の間違いの始まり。これを読んで「感動した!」と電話してきたのが当時出版社の編集だった近藤陽一郎。しかし電話の時点で彼は会社を辞めていたというオチ。


「17才」
……小説を書いてみて、日本語をあまりに知らないことに驚愕し、じゃあ脚本だ!と安易に転向。神戸での引き籠もりから脱出するためにわざと東京の高校生の自主映画用に書いた脚本。シナリオにカット割りを書くなど、驚異的なアバンギャルドぶりを発揮。絶対に人に見せられない。


「それゆけっ 駅員さん!」
……タコあし電源 第1回公演戯曲(半年稽古して公演回数3ステ! 1500円!)。「17才」に出ていた俳優の劇団のために書き下ろしたのにその劇団を分裂に追いやってしまった不朽の迷作。この時からすでに照明は藤田典子さん。お願いしたときの「わたし高いよ?」の一言がいまだに忘れられない。ちなみに稽古場に行って僕が最初に発した言葉は「演出ってなに?」。



脚本家は、肉が好き。
♪見つけて、しまいましたっ!





例の本には、

「(脚本)4本目以降は、とにかくテクニックが必要」

とも書いてあり、
確かにその後の何本かの戯曲はまあそりゃ酷かったなあと。
(でも無邪気で楽しかったなあ……とまた遠い目)


それでちゃんと勉強しようと思って久世塾に入った時に会社を辞めたのが、第二の間違い。
その後しばらくまた無職でした。
懐かしいなあ……とまた遠い目。



「映画はどんなプロ作家でも、頭とお尻以外の"真ん中"が一番苦労するのだ」
「困ったらもう、映画を観まくるしかない」
とも書いてあり、世界中でそうなんだな、と妙に安心しました。

ええ、"中間の悪魔"ですね。
(だからそんな言葉ないって。ググったら3件だったよ)



たまにこういうノウハウ本を読むと、
なぜだかさっぱり分かりませんがしょっちゅう遠い目になるのでなかなか進みません。


さ、今日の執筆はここまでにして。
映画でも観るかな。


そんなみどりの日。

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