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脚本家は、肉が好き。

抱きしめてあげる。

投稿日時:2009/04/24(金) 02:14

「あげる」というのはそもそもが

下から上に物をあげるのが原義で、

下々(しもじも)の者から君主、天皇陛下に至るまで、

何かを差し上げるときに使うのがそもそもの用法だったと知って驚いた。

しかも、ここ30年ほどで意味が変化したようである。



「ミジンコに餌をあげる」

なんていうレベルだと、僕みたいな人間には気持ち悪い表現である。

相手はプランクトンではないか!と。


が、しかし。


「子供にオモチャをあげた」

これだともう完全に、僕には普通に聞こえる。



数十年前までは、どちらも「やる」が正しく、普通であった。

それはつまり、

「天皇陛下にガムをあげる」が正しいということになる。


脚本家は、肉が好き。


現在の「あげる」は戦後に女性語として「やる」の代わりに使われ始め、
それが今ではすっかり、
「やる」の方が卑下や見下しの意味がこもらなくもない。

 プレゼントをやる。
 ヒマをやる。

補助動詞だとさらに倍。

 くれてやる。
 抱いてやる。
 奢ってやる。

何だか対等以下で不快だよオヂサンは。



気が付かないうちに、言語はこうして変化していくのだなあ、
僕らの人生は短いなあと、
深くため息をつく、
そんな記念日。


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